「理解のデザイン」セミナーに参加してきました

こんにちわ。さいとう(くろ)です。黒服族には厳しい季節になってきました。

7/29にHCD-Net主催の「理解のデザイン 〜情報アーキテクチャ設計入門〜」というセミナーに参加してきました。このセミナーはHCD-Netの副理事長でもある長谷川さんによるもので、約2時間にわたってみっちりと話をしてくださいました。

今回は内容の簡単な紹介と感想を書きたいと思います。

内容紹介

情報の伝わりにくさはどこから来るのか

導入では、よくある「分かりにくいデザイン」の事例紹介から、どういったことが分かりにくさにつながるのか、という話がありました。機器にテプラやポップをベタベタ貼られたりするような、デザイン界隈では「デザインの敗北」なんて言われるような事例から、実際のWebサイトの話まで、様々な事例を交えた内容でした。
それらを元に、伝わらない理由として「情報過多」「一貫性の欠如」「文脈のずれ」「プライオリティの欠如」「難しさ」というキーワードが出てきました。

デザイナーにとって、このあたりのキーワードはよく見聞きするものかなと思います。分かりやすくデザインするにはどうすべきか、というようなセオリー本や情報サイトなどでもこれに近いキーワードはよく出てきます。が、実際の「分かりにくいデザイン」の例を見ると「言うは易し行うは難し」というのはまさにこれだな、なんてことを思いました。そして非常に耳が痛い話でもありました……。

「インストラクション」にヒントあり

ではどうすれば分かりやすく伝わるようになるのか。そこで出てきたのが「インストラクション」というキーワードでした。

インストラクション(Instruction)は日本語で教示や指示、命令などを意味する言葉ですが、今回の話はその言葉どおりの意味ではなく、リチャード・ソウル・ワーマン (Richard Saul Wurman) 氏が著書「理解の秘密 — マジカル・インストラクション」の中で述べている「インストラクション」を指します(この本、未読だったので、その場で速攻Amaz○nで注文をしました。便利な世の中です)。

たとえば建築物の設計図も「インストラクション」であって、建築家(設計者)はインストラクションを作る人である、というような話をされていました。これはWebサービスで言うと仕様書だったり設計書、デザインのワイヤフレームやユースケース図なんかに言い換えられるのかなと思います。

こういったインストラクションは、送り手(作成者)と受け手がいて、受け手がどのように受け止めるのか(理解するのか)が重要であるという話になってくるのですが、この「どう理解するのか」をデザインする人が「インフォメーションアーキテクト(Information Architect)」であり、どうやって理解する(される)のかを考慮した設計がキーになっていく、というお話でした。

セミナーを聞いてみて

実際には上で書いた要約からその先の話もあり、かなり内容の濃い2時間でした。

内容としては「入門」ということもあり、デザイナーとして経験してきたことや勉強してきたこと、また、大学院時代にサービスデザインやエンジニアリングについて学んでいたことにつながるものが多く、目新しい何かがあったというよりも、今までのピースが綺麗に枠にはまっていったような感じでした。

情報アーキテクチャ設計の難しさについては日々感じています。というのも、きちんと設計しようと思うと、ユーザ理解だけでなくコンテンツやコンテキストへの理解も必要で、かなり広い視野で物事を見てそれらを分析した上で設計に落とし込んでいく必要があるからです。正直かなり骨が折れますし、時間もかかります。自分の中できちんと考えているつもりであっても、実際に作ってみると視点が足りていなかったり、分析が足りてないなと思うことも多くあります。

日々苦労している中で何かヒントになることがあればと思い、セミナーに参加したのですが、話を聞いていて思ったのは「最初から完璧なものは作れない」でした。話の中で分かりにくいデザインの実例もいくつかありましたが、それと同時にそれらのデザインが徐々に改善されて良くなっていった話もされていました。デザインは実際に使われてみて初めて分かることも多くあるので、「リリースして終わり!」ではなく、日々改善していくことが大事なんだなと再認識しました。

ユーザにとってより良いサービスやデザインはどういったものなのか、日々考えて分析して改善し、さらにアトラスのサービスを良いものにしていきたいと思います。

この記事を書いた人