アトラスがアクセシビリティに取り組む理由
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こんにちは!まおです。
先月システム開発グループ内で「Webアクセシビリティとは何か?」というテーマで勉強会を行いました。つい先日にはアクセシビリティガイドラインが公開されたりと、社内ではアクセシビリティの波がやってきています。
今回は私が今一番熱くなっているアクセシビリティについてお話しします。
そもそもアクセシビリティとは
アクセシビリティとは、障害者・高齢者を含めすべての人が製品やサービスにアクセスできる(使える)ことをいいます。その中のWebアクセシビリティとは、Webサイトやサービス上にある情報・コンテンツや機能の利用しやすさをいいます。
なぜアクセシビリティが必要なのか
理由は大きく分けて2つあります。品質の向上と社会の要請です。
品質の向上
アクセスできる人が増える
アクセシビリティというと障害者・高齢者向けの対応と思われがちですが、誰にとっても重要であり、恩恵を受けることができるものです。普段私たちもWebを利用しているうえで様々な使いにくさを感じることがあるはずです。
例えば…
- マウスが壊れて、キーボードでしか操作ができない
- 公共の場で動画が見たいのにイヤホンを持っておらず音声が聞けない
- 屋外だと日光の光で画面が見にくい
このような時、アクセシビリティ対応がされていれば、普段と同じように情報を受け取ったり利用することが出来ます。
さまざまなデバイスに対応できる
近年はデバイスが多様化しています。タブレットやテレビ、ゲーム機などユーザーは様々な状況下でWebを利用します。そのような場合に特定のデバイスのみ考えてサイトを作成すると、利用できるユーザーが限られてしまいます。
例としてスマートフォンで表示するとボタンが小さくなりタップできない、マウスオーバーのコンテンツが表示できない…などが挙げられます。
ユーザビリティ・UXの向上、改善になる
ユーザビリティもUXも、ユーザーが情報にアクセス出来なければ成し遂げられません。アクセシビリティに取り組むことで、あるユーザーの「使いにくい」という認識が「使いやすい」に変わり、結果としてユーザビリティを向上させるケースもあります。
他にもアクセシビリティは保守性に優れていたり、SEOにも良いなど、品質の向上において欠かせません。
社会の要請
社会の要請の面では、日本で2016年に障害者差別解消法が施行されました。これは障害を理由に不当な差別はしてはならないというものです。
世界に比べると日本はアクセシビリティ対応が遅れています。アメリカでは年々、障害者法による訴訟が増えています。その中にはピザのネット注文でクーポンやトッピングが選択できず訴訟になった例もあります。日本ではまだこのような訴訟事件はありませんが、今後ないとは言い切れません。
他にもカナダや韓国、ニュージーランド、オーストラリアなどでもアクセシビリティ対応が法律によって義務付けられています。アクセシビリティ対応は先進国の常識といえるのです。
なぜアトラスで取り組むのか
アトラスには「ITを通じて学術コミュニケーション・学術研究の発展に寄与する」というビジョンがあります。そのアトラスが、ユーザーに「アクセスできない」「使えない」という最悪の体験を提供してはなりません。すべての人が「アクセスできる」「使える」ことが出来て、初めて「良いサービス」と感じてもらい、それが「学術コミュニケーションを一歩先へ」に進む手助けになるのだと思います。そのため、アトラスでも可能な限りアクセシビリティに取り組んでいきます。
最後に
Webの生みの親ティム・バーナーズ=リー氏は以下の有名な言葉を残しています。
The power of the Web is in its universality. Access by everyone regardless of disability is an essential aspect.
Webの力は、その普遍性にある。
障害の有無に関係なく、誰もが使えることが、その本質である。https://www.w3.org/standards/webdesign/accessibility
つまりWebがWebであるためにアクセシビリティは必用不可欠な要素であり、備えるべき品質といえます。いまや情報は水や電気と同様に重要なライフラインです。ユーザーがどのような状況下でWebを利用しているとしても、その受け取る情報・コンテンツは同じであるべきです。
かくいう私もまだまだ勉強中の身です。これからも積極的に情報収集・活動・発信していきます。はじめよう、アクセシビリティ!