LinuCのススメ

こんにちわ、L小川です。
先日LinuC 101/102に合格し、LinuC レベル1に認定されました!
この記事では、私の勉強方法や学習して感じたメリットなどをお伝えしようと思います。
この記事をきっかけに、LinuCに挑戦するエンジニアが増えたら嬉しいです。

LinuCについて

LinuCは、Linux技術者のスキルを認定する資格試験で、LPI-Japanが運営しています。

https://linuc.org/

LinuCにはレベル1〜レベル3の3つのレベルがあります。101試験と102試験に合格するとレベル1に認定され、さらに201試験と202試験に合格するとレベル2に認定されます。レベル2認定後、300/303/304のいずれかの試験に合格するとレベル3に認定されます。
2020年3月には、クラウド技術に対応した待望の新しいバージョン(Version 10.0)が発表され、新しい技術に合わせて内容が更新されています。
※アトラスには資格報奨金制度があり、その対象一覧の中にLinuCも含まれています。恥ずかしながら、それを見るまでLinuCという認定資格があることを知りませんでした……。

なぜ受験しようと思ったか

日々の業務は最適化されていくので、業務で必要とされるLinuxに関する知識やコマンドは必要最低限のものになってきます。よくできた手順書があれば、Linuxの知識がなくても作業自体はできてしまうこともあります。
私自身、サーバ構築やトラブルシューティングはそれなりにできてはいるものの、自分の持っているスキルや知識はLinuxのごく一部、という認識がありました。
LinuC試験にチャレンジすることで自身に足りないところを補えれば!と思い、LinuC認定取得に向けて取り組むことにしました。
LinuCの受験日は自分で決められるので、自身の理解度や仕事の忙しさに合わせて日程調整できるのも大きなポイントでした。

勉強方法

101試験の学習を始めた当初は紙の書籍を使っていたのですが、その後Ping-tを使った学習がメインとなりました。
使い勝手が良かったので、有料のプレミアムコンテンツを購入し、102試験ではPing-tだけを使って学習しました。Ping-tで間違えた問題をメモアプリにコピーして、スキマ時間で見直し、またPing-tで問題を解く、といったことを繰り返しました。

試験結果

試験会場のPCで受験し、終わった直後に合否結果が表示されます。
101試験・102試験ともに、Ping-tでの模擬試験結果と同じような得点でした。

受験日 試験 スコア セクション:正解率
2019.06.09 101 720
  • システムアーキテクチャ:87%
  • Linuxのインストールとパッケージ管理:81%
  • GNUとUnixのコマンド:92%
  • デバイス、Linuxファイルシステム、ファイルシステム階層標準:93%
2020.03.28 102 666
  • シェル、スクリプト、およびデータ管理:80%
  • ユーザインターフェイスとデスクトップ:100%
  • 管理業務:66%
  • 重要なシステムサービス:90%
  • ネットワークの基礎:85%
  • セキュリティ:88%

※どちらも合格基準スコアは520

コマンド記述問題にご用心

選択式問題のほか、コマンド記述問題があります。
よく使うコマンドであればスイスイ解けるのですが、あまり使わないコマンドになると「選択式問題では解けるけど、コマンド記述問題だと解けない」ということがPing-tの模擬試験でもよくありました。
普段、何気なくキーボードを打っていますが、身体(指)を動かすということは、思った以上に記憶とつながっているようです。
問題と解答を読むだけではなく、実際にコマンドを実行して覚えるのが一番の近道です。コマンド・オプションをしっかり身体にたたき込んで失点を少なくしましょう。
コマンド記述問題は102試験の方が多かったように思います。

合格すると

101試験・102試験の両方に合格するとレベル1に認定され、後日「証明書・カード・シール」が送られてきます。
実際に手で触れられるものがあると「ああ、合格したんだな」という実感が湧いてきます。

証明書・カード・シールの写真

こんなメリットがありました

初めて知るコマンドもあった

catコマンドの逆の結果が得られるtacコマンドや、システムログに追記するloggerコマンドもLinuCのための学習で初めて知りました。
弊社ではログ検知ツールに「Logentries(InsightOps)」を使っているのですが、設定後の動作確認にloggerコマンドを使いました。業務ですぐ使える知識が得られるのもLinuCに挑戦するメリットだと思います。
※:弊社でのLogentriesの使い方については同ブログ「サーバ監視を支える5つのツール(NewRelic Logentries Bugsnag OpsGenie Slack)」をご参照ください。

Linux=ブラックボックスという印象がなくなった

Linuxの仕組みやコマンドについて改めて学習したことで、これまであやふやだった知識を整理できました。
今後の業務で触ることがなさそうなファイルやディレクトリであったとしても、その役割や機能を知ることで、自信を持って問題切り分けができるようになります。

継続的にチャレンジできるものが増えた

とはいえ、まだレベル1の段階です。引き続き、LinuC レベル2/レベル3やOSS-DB Silverなどにも挑戦し、インフラ周りの基礎を固めていこうと思います。
英語のことわざで「” Better late than never.”(遅くともやらないよりまし)」という言葉があるようですし!

さいごに

AWSをはじめ、いろいろなクラウドサービスでインフラのマネージドサービスが利用できるようになってきました。アトラスのサービスもその恩恵にあずかっています。
ですが、サーバを構築する手間やトラブルが減ったことの副作用として、現場でインフラを学習する機会が減っているという面もあるかと思います。
採用面接でお会いするエンジニアの中にも「AWSはいろいろ使えているけれど、インフラ面が弱くて……」と言う方もいました。
クラウド全盛の時代でも、インフラの知識や経験は必要とされます。
エンジニアとしての裾野を広げるひとつの手段として、LinuCの資格取得を検討してみてはいかがでしょうか!