要件定義もモブでやるメリット

はじめに

こんにちは、CTOの大神です。あといくつか寝るとお正月になりますね。世間が慌ただしくなってきますが、システム開発は年間を通して慌ただしく開発を進めています。11月は札幌でリモート開発しているエンジニアが東京のオフィスに集合したので、要件定義や基本設計を担当しているエンジニアと久しぶりに対面でのモブ要件定義をやりました。

ConfitやSMOOSYの機能拡張での要件定義は、機能拡張仕様書に含めて記載します。記載した要件定義は「Confit機能拡張の仕様書作成に関係者全員が参加するメリット」でご紹介した仕様検討会議で協議します。

今回は札幌のエンジニアを含む3名のプロジェクトマネージャでモブ要件定義をやりましたので、その時の様子や要件定義をモブでやるメリットを紹介します。

モブ要件定義とは

モブプログラミング(以下モブプロ)が一般的ですが、全てのチームメンバーが同時に同じタスクに取り組むソフトウェア開発手法の一つで、一人のメンバーが要件定義書を直接書き、残りの全てのメンバーが共同で考えて、要件定義書を書く人に指示を出して作成を進めていきます。
モブプロのように、要件定義や基本設計書でも共同で作成することをモブ要件定義と呼んでいます。

モブ要件定義を始めた背景

今年から札幌のエンジニアが3名になり、プロジェクトマネージャ兼設計担当が1名と開発担当が2名の体制で開発を担当してもらっています。設計担当のエンジニアは、今年から設計を担当し始めたので、要件定義や基本設計書の作成に時間がかかっている状況で、仕様検討会議でも良い感じで進められていない状況でした。

モブプロはエンジニアの中でもやっていましたので、設計を担当するメンバーでもモブ要件定義、モブ基本設計をやってみようということにしました。

大きな画面で要件定義書とフロー図を共有しながら進めます

モブ要件定義のメリット

トレーニング効果

要件定義や基本設計のベテランと経験の浅いエンジニアのセットで、要件定義書を作成し、開発目標やスコープの定義、機能要件などの作成項目ごとに、作成する図の種類の選択や表の作り方を共有しながら進めるので、要件定義スキルアップが望めます。

作成工数の削減

要件定義の作成は、手を動かしている時間よりも考えている時間の方が多いので、考える時間の思考過程を共有しながら進めることで、経験の浅いエンジニアでもベテランエンジニアと相談しながら作成でき、作成工数は大きく短縮できます。

仕様検討会議の効率アップ

SMOOSYの仕様検討会議は、セールスや導入コンサルの担当者とエンジニアが参加した会議で、週1回開催しています(Confit、SMOOSY、サービス間連系など多くの仕様検討会議があり全部で週4回開催)。仕様検討会議の議題に漏れると、次回が1週間後になるので、事前に議題の準備が重要です。要件定義作成時点で、仕様検討会議で協議すべき課題を効率よく漏れなく洗い出せるので、1回の仕様検討会議で要件検討をスムーズに進めることができます。

要件定義の品質向上とレビューの効率化

要件定義作成後は、他のプロジェクトマネージャにもレビューしてもらい、要件定義書自体の不備、拡張機能の要件の共有、考慮漏れなどの洗い出しをしますが、要件定義作成中にベテランエンジアがレビューしながら作成するので、不備が少なく、要件の理解も捗ります。

まとめ

アトラスではモブ要件定義を始めたばかりです。多くのことをモブでやることは手間もありますが、メリットが多くあります。現在は対面でもリモートでもモブ環境は整っているので、実施自体に問題ありません。

よくありがちな「このシステムはこの人が担当」のように、「担当システムで要件定義や基本設計できるけど、他のシステムのことはよくわからない」という属人化も少しずつ解消できます。

考える作業は複数人でやっていくと品質も速度も向上して、スキル向上も望めるのでオススメです。