論文検索Qrossのご紹介
目次
初めまして、論文検索Qrossダイレクターのさいとう(白)です。
当ブログでは、さいとう(黒)がいつもお世話になっております。
※向かって左が私です。
みなさん、論文読んでますか。プロの研究職の方ではなくとも、卒業論文を執筆するために参考文献を読んでいる学生の方、趣味として興味のある分野の学術論文を読んでいる方、色々いらっしゃるのではないでしょうか。
今日は、そんな日常的に論文を読んでいるみなさまの為に開発した「論文検索Qross」をご紹介します。
論文検索Qross
(論文検索Qrossは2018年6月をもってサービス提供を終了しました)
論文検索Qrossとは?
論文検索Qross(キュロスじゃないです、クロスと読みます)は、国内外の電子ジャーナルサイト・データベースの論文を、複数同時に横断検索できる無料のWebサービス&スマートフォンアプリです。アプリはiOS、Androidどちらも展開しています。
論文検索Qrossでは、単に検索した結果を表示するだけでなく、検索結果に論文単位のソーシャルスコア(後述)を表示します。さらにMendeleyなどの文献管理サービスや、Facebook、TwitterなどのSNSとも連携しているので、お手軽に文献を管理・共有できます。
「Qross」という単語は造語なのですが、以下のような意味合いを込めて名付けました。
‘Q’+‘Cross’
- 照会・問い合わせ(Query)、品質指標(Quality)、問い・疑問(Question)、探索・追求(Quest)
- 横断検索(Cross Search)、様々な外部サービスが組み合わさり、連携していく(Crossover)
ちなみに、他にはこんな候補がありました。
- 論文検索 グランデ ←初期の開発コードネームでした
- 論文検索 Ω
- 論文検索 SAGASOYA(サガソーヤ)
- 検索野郎 Article
どんな論文を探せる?
検索窓にキーワードを入力すると、検索対象サイトを一括で横断検索して結果を表示します。Web版の検索対象サイトは以下の7サイトで、最大4サイトまで同時に検索できます。
J-STAGE
科学技術振興機構(JST)が運営する日本国内の科学技術情報関係の電子ジャーナルプラットフォームです。2014年10月24日現在、1,838誌、約260万記事が収録されています。
CiNii
学協会刊行物・大学研究紀要・国立国会図書館の雑誌記事索引データベースなど、学術論文情報を検索の対象とする論文データベースサービスです。国立情報学研究所(NII)が運営しています。2011年10月1日時点で、約1,500万記事が収録されています。
PubMed
アメリカ国立医学図書館の国立生物工学情報センター(NCBI)が運営する医学・生物学分野の学術文献検索サービスです。2,400万件以上の文献情報を収録しています。
PLOS
学術論文のオープンアクセス化を推進するプロジェクト、Public Library of Science(PLOS)が発行する査読付きオープンアクセスジャーナルです。医学、生物学、遺伝学などを中心に、2014年10月時点で7誌のジャーナルを公開しています。言わずと知れたオープンアクセス・メガジャーナルですね。
IEEE Xplore
米国電気電子工学会(IEEE)が発行した定期刊行物、会議録、規格などの記事を収録、提供しているプラットフォームです。360万件以上の記事を収録しています。
ScienceDirect
Elsevier社が発行する技術・医学・社会科学分野の電子ジャーナルを登載する世界最大級のフルテキストデータベースです。2,500誌以上が収録されています。
SpringerLink
Springer社が発行する科学・技術・医学分野のジャーナル・学会誌のオンラインプラットフォームです。2,000誌以上が収録されています。
※スマートフォンアプリの検索対象はJ-STAGE、CiNii、PubMed、PLOSの4サイトです。
いわゆるクイック検索だけでなく、論文タイトル、著者、抄録、ジャーナル名、発行年を指定して、詳細な検索もできます。
論文単位のソーシャルスコアとは?
近年、ソーシャルメディアを活用して、論文単位のインパクトを計量化する試みが注目されています。論文検索Qrossでは、検索結果の一覧に、その論文のMendeleyでの登録数、CiteULikeでの登録数、Facebookでのいいね!とシェアの数、Twitterでのツイート数を表示しています。また、altmetrics(オルトメトリクス)と呼ばれる新たな研究評価指標があります。このaltmetricsを独自に算出、公開している外部サービス、Altmetric.comのスコアも表示しています。
単なる検索結果の一覧ではなく、何らかのスコア(指標)があると、論文収集・閲覧の際に参考になりますよね。
ただし、ソーシャルスコアに関しては巷でも賛否両論あります。否定的な意見としては、論文の内容、良し悪しの指標ではなく、あくまでソーシャルメディア上での話題性を示すスコアに過ぎないこと、専門家ではない一般ユーザの反応も多分に含まれることなどが挙げられます。この点については、我々も学術界の動向を注意深く見守っています。
その他の便利機能
論文検索Qrossでは、検索した論文をブックマークできます。さらに、スマートフォンアプリとWebでブックマークを同期できるので、例えば通勤・通学など外出先でのちょっとした空き時間にアプリで検索し、自宅やオフィスのPCでブックマークした論文をじっくり読むという使い方ができます。
他にも、SNSや文献管理サービスとの連携機能を備えています。TwitterでのツイートやFacebookでシェアして研究仲間と共有、Evernoteへの書き出し、Mendeleyへのインポート、BibTeXやRIS形式でのファイル出力などなど…これらを簡単な操作で可能にしています。
論文検索… 探そうや!
先日の話ですが、ノーベル賞が発表されましたね。赤崎勇先生、天野浩先生、中村修二先生の物理学賞の受賞は、各種メディアでも大きく取り上げられました。そんなアカデミックな話題であったり、例えば「ミドリムシ市場が急拡大している」みたいなニュースでもよいですが、日頃、見聞きするキーワードを検索してみると、なかなか面白い論文を見つけられたり、驚くような発見があったりします。
論文検索Qrossを使って、みなさんの研究活動、論文執筆や、興味深い論文の探索に、役立てていただければ嬉しいです。