いま話題のオールインワンワークスペース「Notion」で社内情報を一元管理! 〜導入準備編〜

はじめに

お久しぶりです。テックリードなかむらです。
早いもので今年も残りわずかですね。みなさんの2021年はどんな一年だったでしょうか。私は年始の抱負大会で「心身ともに健康な生活」と宣言したのですが、今年の冬も長い間咳をしたり、あまり運動もせずで残念な結果となりました(泣

さて、アトラスでは最近になって、話題のツールであるNotionを活用して全社の情報を一元管理しようとしています。まだまだ導入準備中なのですが、やったことと所感をまとめてみようと思います。

Notionとは

Notionは、ドキュメント(メモ)、ナレッジ、タスク管理、プロジェクト管理、データ管理などの機能を持った「All-in-one workspace」 な情報管理ツールです。
機能を組み合わせてさまざまな使い方ができます。

課題と導入目的

現在は以下のツール(サービス)を利用しており、社内の情報の保管場所が異なっているので、残念ながら欲しい情報にすぐにアクセスできる状況ではありません。

  • Asana (タスク管理)
  • DocBase (ナレッジ)
  • kintone(顧客管理、案件管理)
  • Trello(課題管理)
  • Yammer (連絡、社内共有情報)
  • Google Workspace(ドキュメント、スプレッドシート、スライド)


フロー情報とストック情報が混在しているものもあり、ツールの使い方を整理すべき段階でもあります。
上記の課題を解決すべく、社内の情報を整理・集約して管理し、情報を利用しやすくすることを目的としました。さらに、データをただ移行して各種ツールを行ったり来たりしなくてよくなることだけではなく、情報管理をより良いものにすることも目的としました。

導入準備としてやったこと

まずは社内の情報をまとめることを目的として有用なツールであるかどうかを検討するため、Notionの基本的な機能でできること、チーム設定や参照・編集権限設定などを確認しました。
これまで複数のスプレッドシートで管理していた情報はNotionのデータベースで一元管理でき、フィルターやグルーピングができるので見やすく探しやすくできるので、現状よりも作業効率アップが見込めると思いました。

ガイドライン作成

Notionは誰でも簡単にデータが作成できるところが良いです。とはいえ、個人やチームによって好き勝手に作成してしまうと一元管理できるものもできなくなるので、適切にデータを管理するNotionの管理者が必要になると考えています。まだ試行段階なので管理者はいませんが、社内用にNotion利用のガイドラインを作成しました。

ガイドラインのキャプチャ

ガイドラインより抜粋

  • ワークスペースは事業単位で情報を管理しよう
  • ナレッジは階層のページではなくデータベースで管理しよう
  • 重要機密情報はアップロードしないようにしよう
  • 完璧を目指しすぎず、日々更新しよう


これまでデータが分断していたので「いつだれが見ても探しやすい構成にしよう」という基本ルールや、Notionにアップロードしたオリジナル画像URLはAWS S3の署名付きURLであり有効期限が24時間に設定されている (2021年12月現在) ので、万が一URLが漏洩したら誰でも参照できてしまうのでセキュリティリスクがあるといったような注意事項などを記載しました。
情報管理については会社の業務がある限り終わりがないので、最初から完璧なものを目指すのではなく、日々更新して改善しようという方針も記載しています。

Notion・kintone比較

前述の通り、案件などはkintoneを利用して管理しています。kintoneはサイボウズ株式会社が提供しているビジネスアプリ作成クラウドサービスで、こちらも膨大なデータをデータベース管理できます。

kintoneのデータをNotionに移行できるのか、またはNotionでやろうとしていることがkintoneでもできるのではないのか、などの疑問が社内からあがったため、比較して検討してみました。

  Notion kintone
基本的な使い方 事業区分ごとにワークスペースを作り、その配下にページを作って共有情報を公開する。 事業区分ごとにスペースを作り、用意されている業務系アプリを追加していく。
インターフェース・機能仕様 初見では何ができるか、何からはじめれば良いかがわかりづらいが、慣れると使い勝手が良く、高機能で多くの用途に使える。 誰でも使えそうな親切な機能でわかりやすい。ただそれにより1つの設定でも手間がかかる。
アクセス制限 グループを作成してメンバーを追加できる。
ページ単位(配下のページも一括で設定可)にグループまたはメンバーにアクセス制限(フルアクセス、参照のみ、編集)を設定できる。
メンバーを追加することでアクセス制限ができる。スペース内の情報はメンバーのみアクセスできるようにできる。
ナレッジ データベース機能でナレッジを登録して、さまざまなビューで参照できる。
フィルターやグルーピングもできる。
作業手順などナレッジ管理は不向き。
メモ機能/ページメモ機能/ページ作成 マークダウンでもNotion特有の書き方でもページ作成できる。アイコンやカバー画像が設定できるので見た目が良いページを作れる。 ナレッジでデータベースにメモを記入する場合はリッチエディター(WYSIWYG形式)で作成する。
課題管理 カンバン形式で管理できる。 カンバン形式は使えない。テーブル形式で代用可能。
タスク管理 簡単なタスクであれば管理可能。Asanaほどプロジェクト管理に特化していないのでサブタスクやテンプレートの利用が必要な場合は機能不足を感じる。 同左
データベース分析 関数で集計のみ。グラフを表示するには他のサービスを利用する必要がある。 クロス分析やグラフの作成ができる。

Notionはデータがテーブル、カレンダー、ガントチャート、カンバン形式などたくさんのビューで参照できるので、使い方次第でさまざまなデータ管理が可能です。しかし自由度が高いゆえにユーザーのリテラシーに依存する面があり、使い方を制限することが難しいです。より良い使い方を考えて最適化できるのであれば、情報を集約するには最適なツールではないでしょうか。

kintoneはNotionに比べると自由度は高くないですが、やりたいことが決まっていれば誰でも迷いなく登録できるので、人数が多い会社では業務効率を向上させることができそうです。

両サービスを比較した結果、アトラスとしてはどちらかだけを利用するという結論ではなく、現状のまま顧客や案件管理はkintone、情報管理はNotion、と切り分け、どちらにも必要で重複する情報はAPIを利用して同期する手段を確立する方針としました。

まとめ

たくさんのツールをNotionひとつにまとめることはできないのですが、社内の情報がまとまり、「いつでも誰でもたどり着けること」を目指してこのまま進めていきます。
Notionの全社導入は少し先のことにはなりますが、情報がまとまることで業務効率がぐんっとあがるであろう2022年のアトラスの姿を想像しながら新年を迎えたいと思います。
2022年もどうぞよろしくお願いします。