Pesto (Pragli) Spatial Roomsのすすめ
目次
はじめに
こんにちは!カズシです。巷では某ウイルスの第n波が到来して、マスクなしの生活が戻るのはもうしばらくかかりそうですね。
アトラスではテレワーク中心の勤務を継続しており、私の昨年の出社回数は片手以上両手未満で数えられるほどでした。さて、アトラスではバーチャルオフィスサービスとしてPesto (旧 Pragli) を導入して1年以上が経過しました(前回の記事はこちら)。今回は昨年8月にリリースされたSpatial Roomsという機能がとても便利なので紹介したいと思います。
Spatial Rooms とは
バーチャルな空間に複数人で滞在できる機能です。通常のミーティングとは違い、位置や距離といった概念があります。画像は実際に開発チームで利用している部屋の様子です。入室すると、部屋での現在位置がアイコンで表示され、部屋の周りに入室しているメンバーのアバターが表示されます。カメラをオンにすると、自分のアバターが映像に切り替わります。
リアルな空間
部屋の中はキーボードの矢印キーで移動することができます。この部屋はただの画像ではなく、机や壁など一部の物の上は移動できないリアルな造りとなっています。現在、部屋はカフェ、ビーチ、宇宙の3種類から選ぶことができます。
距離に応じて音量が変わる
Spatial Roomsには距離の概念があるので、話すときは、近くにいる人には大きく、遠くの人には小さく聞こえるようになっています。6マス以上離れると完全に聞こえなくなります。距離に応じてアバターの彩度が変化するので、自分が話すと誰に声が聞こえているのかも把握することができます。また、アイコンの距離に関わらず全員に聞こえるようにも設定できるので、人数が少ない場合は切り替えても良いかもしれません。
制約事項
便利なことばかりではなく、制約事項もいくつかあります。
- 画面共有が使えない
- Spatial Roomsでは画面共有が使えないので、画面共有をするためには個人通話かミーティングに移動しなければいけません。しかし、移動もワンクリックなので、そこまで手間ではありません。
- 人数制限がある
- 最大で24人までしか入室できません。開発チームでは15人程度で利用していて、ちょうど良い距離感なので、それ以上の人数だと少し多すぎるかもしれません。
- モバイル版は対応していない
- モバイル版ではSpatial Roomsを利用できません。この機能を使う場合は、通常業務はPCで行い、Pestoだけタブレット端末で開くという使い方はできません。
Spatial Roomsを使ってみて
開発チームでは約半年、Spatial Roomsを利用してきました。実際に利用してみて私が感じた、よかったところ、イマイチなところを説明します。
よかったところ
話しかける心理的ハードルが下がった
Pestoや、他のサービスでも通話をする際には、「通話する」ボタンを押すなど何かしらのアクションが必要になります。また、場合によっては「今、お時間良いですか?」と事前にアポを取るケースも多いと思います。これらの行動が少し億劫に感じてしまい、通話をかけることに苦手意識がある方は、私以外にもたくさんいるのではないでしょうか?Spatial Roomsでは、ミュートボタンを解除して話しかけるだけなので、些細なことでも話しかけることができ、質問しやすく感じます。話しかけた相手が離席中などでレスポンスがなくても、こちらのアクションが通知されたり、履歴に残ったりしないので、こちらのタイミングで改めて話しかけに行くことができます。
周りの様子が自然とわかる
Spatial Roomsでは、自分が話していなくても近くの会話が自然と耳に入ってきます。また、会話中に、周りの人が会話に参加してきたり、「他の人にも聞いてみよう」と別の人のところまで移動したりする、といった使い方ができるのがSpatial Roomsならではだと思います。また、誰かが入退室すると通知音が鳴るので (オフにすることも可能)、「そういえば○さん、この時間はあの会議だ」、「△さんの会議、今日は早く終わったみたい」などの情報が意識せずとも入ってきます。このように、Spatial Roomsを利用することで、テレワークで得られなくなった情報を少し取り戻すことができました。「同じ空間で働いている」という感覚から、孤独感も軽減されました。
メンバーの人柄がわかる
ある時、Spatial Roomsで、他の人のアイコンを避けて移動している方を見かけて、とても律儀な方なんだろうなと思いました。アバター1つとっても、リアルに寄せている人、ユーモアの溢れる服装の人、新しいアバターにどんどん変える人など個性が出ています。Pestoを通してメンバーのことを知ったり、Pestoのことで雑談が盛り上がったりと、コミュニケーションの促進に役立っていると実感できました。
イマイチなところ
常時接続していると重い
マシンのスペックや通信環境、他のツールの使用状況にもよりますが、少し動作が重いのが気になります。Pestoは機能面だけでなく、安定性の向上や動作改善にも力を入れているので、今後に期待です。
突然話しかけられると驚く
常に画面を見ている訳ではないので、慣れないうちは突然話しかけられると少しビックリします。早く反応しなくては!とあたふたしてしまいますが、反応までにラグがあることは相手も理解しているので、落ち着いてミュートを解除しましょう。慣れてしまえば、周りの視線などを気にせず作業に集中でき、話しかけたい時には気軽に話しかけられるといった、出社とテレワークのいいとこ取りができる印象です。
部屋が広い
これはメリットでありデメリットでもあるのですが、Spatial Roomsの部屋は意外と広いので、遠い人に話しかけに行くのは少し面倒です。試しに、対角線上に端から端まで移動すると12秒かかりました。そのため、同じプロジェクトにアサインされている人など、話す機会が多い人がなるべく近くになるように席を決めて、移動が煩わしくないように工夫しています。
最後に
Pestoの新機能Spatial Roomsは、よりリアルでの出勤に近い体験を得ることができました。前回の記事でも述べた通り、Pestoの導入により作業効率が格段に上がるわけではありません。しかし、コミュニケーションが格段に取りやすくなり、仕事も進めやすくなったと感じています。これからもPestoの進化から目が離せません。Pestoは現在無料で利用可能なので、気になった方は一度試してみてはいかがでしょうか?