アトラスのバーチャルオフィスツール変遷を振り返ってみる
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こんにちは。浜野です。
早いものでアトラスに入社して十何回目かの夏が終わろうとしています。
今年のはじめに「Pesto (Pragli) Spatial Roomsのすすめ」というタイトルで、バーチャルオフィスツールの使い方を紹介しました。Pestoは今までベータ版として公開されていましたが、2022年7月から正式版としてローンチされることとなり、6月に利用料が発表されました。Pestoを継続利用するか、oViceやGatherなど他のツールに移行するか比較検討した結果、現在はoViceを利用しています。
今回は、アトラスがリモートワークをはじめた頃から現在のoViceになるまでのアトラスのバーチャルオフィスツール変遷を振り返ってみようと思います。
アトラスのバーチャルオフィスツール変遷
アトラスでは2015年2月にリモートワークの運用を開始しました。最初はエンジニア職を対象として限定的に始め、2017年10月に対象を全職種に拡大しています。その頃からのバーチャルオフィスツールの変遷は以下のようになっています。
リモートワーク初期(一部メンバー) | ||
2015年2月~ | Sqwiggle + Skype |
2016年にSqwiggleはサービス終了 |
2015年4月~ | appear.in(現Whereby) | |
2016年9月~ | PukkaTeam | |
2016年11月~ | Sneek | 2019年9月運用廃止 |
コロナ禍リモートワーク(全社) | ||
2020年2月~ | Skype(さぎょいぷ)+ Slackハドル + Google Meet |
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2020年12月~ | Pragli(現Pesto) | 2021年8月にSpatial Rooms実装 |
2022年7月~ | oVice |
リモートワーク初期(一部メンバーのみリモートワーク)
Sqwiggle
Sqwiggleはこちらの記事にあるように、ログインしているメンバーの一覧が画像で表示され、定期的に更新されるスナップショットにてお互いの状況を確認することができます。またワンクリックで任意の相手とすぐに会話をすることもできます。
リモートワークを始めた頃は、アジャイルの原則にある「全員同席」のためにチームメンバーの顔が見えて話しやすい状況にしておきたく、Sqwiggleを導入しました。Sqwiggleにログインするのはリモートで働いているメンバーのみだったので、オフィスに出社しているメンバーの在席状況がわかるように、オフィスの映像を勤務時間中だけ常時映しているSkypeも併せて利用していました。
appear.in(現Whereby)
appear.inはビデオチャットとテキストチャットを備えたWeb会議ツールで、当時は8人まで同時に接続して通話することができていました。
Sqwiggleでは社内と社外で別々のネットワークから接続しようとすると通話できないことが多々あり、Web会議用のツールとしてappear.inを追加導入しました。そのため、在席確認と在宅勤務者同士のちょっとした会話はSqwiggleで、会議やオフィスにいる人を交えての会話はappear.inでと使い分けていました。Slackの音声通話やGoogle Meetの使い勝手が良くなり、2019年にはそれらに置き換わって使わなくなりました。
PukkaTeamとSneek
Sqwiggleが2016年にサービス終了となったため、代替ツールを探していました。PukkaTeamとSneekはどちらもSqwiggleと同様にログインしているメンバーの画像が定期的に更新されて在席状況を確認することができ、任意の相手とすぐに通話することができます。
PukkaTeamとSneekをしばらく並行して利用しどちらが良いか比較したところ、PCのスリープ状況に応じてステータスを適宜変更してくれるSneekの方がメンバーから好評だったため、Sneekを使うことにしました。
Sneekは離席や取り込み中などのステータスを手動で任意の状態に設定することもできます。ただし、昼休みに離席状態に変更したまま午後の業務を開始してしまい他メンバーからは離席が続いている状況になってしまうこともしばしばありました。また、オフィスに出社している人はログインするのを忘れてしまうこともあり、定期的に実施していた全社リモートワーク訓練日に在席状況を確認する手段として疑問の声があがり、2019年9月に社内での運用は廃止となりました。
コロナ禍リモートワーク(全社リモートワーク)
Skype(さぎょいぷ)
「さぎょいぷ」とは、何かほかの作業をしながらスカイプすることです。常に会話をする必要はなく黙々と自分の仕事をしているのですが、カメラを通して映っている人の存在を感じることで、図書館で勉強しているようなほどよい緊張感があります。
2020年の年明けにコロナの感染者が増え始めて、2月の途中から全従業員がリモートワークを主体とした働き方に変わりました。Sneekの廃止後はしばらくツールを使用しておらず、Slackで相手の状況を確認してSlackハドルミーティングやGoogle Meetを使って会話をしていました。この時からメンバーと顔を合わせるのが朝礼や会議の時だけとなり、関係性が希薄になっていく感じやオフィスにあった適度な緊張感がなくなってきているという話があがり、「さぎょいぷ」を始めました。
Pragli(現Pesto)
Pragliはメンバーの在席状況が確認できるバーチャルオフィスツールで、個別に会話するだけでなく、部屋を用意して集まって会話することができます。Pragliでできることは過去の記事「テレワークでもオフィス出勤と近い体験を求めて」と「Pesto (Pragli) Spatial Roomsのすすめ」をご覧ください。
オフィスにまったく出社しなくなってから約1年経ったころにテックリードからPragli導入の提案があり、ベータ版でしたがシステム開発グループを中心に利用を開始しました。PragliはPCのスリープ状況と連動してステータスが変わるので手動で切り替える手間や離席から戻った後の更新忘れがなく今までの課題はなくなりました。また、Pragliはアバターを設定することができるのでアバターにメンバーの個性が出てくる点は面白く、会話のきっかけにもなります。2021年夏にSpatial Roomsが実装されてからは、同じ開発プロジェクトのエンジニアは出勤時に同じ部屋へ入室し、必要に応じて声かけするようにもなりました。
oVice
oViceはテレビCMが一時期流れていたのでご存知の方も多いと思いますが、仮想空間でアバターを操作して近づいて会話するタイプのバーチャルオフィスツールです。
2020年12月に忘年会をオンラインで開催することとなりoViceを利用したのですが、当時は動作が重く十数人程度でも集まって会話するのは厳しい印象でした。1年半ぶりにトライアル利用したところかなり改善されているようで、今は50人以上集まる全社朝礼でも何とか使えるようになっている印象です。社内の通話や会議はなるべくoViceで実施するようにし、いまオフィスで何が起きているのかを誰もが見えるように運用しています。
冒頭でも書いたようにPestoが正式サービスとしてローンチされるタイミングで改めて他サービスと比較検討しました。機能面や金額面のほか、学術大会のオンライン開催で利用されていることなども考慮して、oViceを選択しました。
さいごに
コロナ禍以前のリモートワークは社会的にも一部の人だけが実施していたこともあり、バーチャルオフィスツールは今ほど充実していませんでした。コロナの蔓延によりバーチャルオフィスツールの需要が高まり、この2〜3年で様々なサービスが登場しました。Webサービスは日々進化していますので常にアンテナを張り、より良いサービスがあれば自分たちのやり方をこれからも進化させていきたいと思います。